離婚原因の確認
離婚については、当事者間で離婚することの合意があれば、離婚届出を提出することにより離婚することができます。
しかし、話し合いで解決しない場合もあり、最終的には家庭裁判所での調停や裁判となる場合があります。
裁判上の離婚をするための離婚原因には、次のような原因があります(民法770条第1項) ので、話し合いによる解決を目指しながらも、このような場合にあたるかどうか、一度、ご確認されることをお勧めします。
①不貞行為
不貞行為の意義は、配偶者以外の異性と性交渉を行った場合です。不貞行為は、離婚原因の一因とされますが、不貞行為があった場合でも婚姻関係が回復困難なまでに破たんしていない場合は、離婚原因にならない場合もあります。
②暴力
配偶者に暴力をふるった場合です。暴力により、婚姻関係が回復の見込みがない程度に破綻していると認める場合に、離婚原因になりえます。
③悪意の遺棄
夫婦はお互いに同居し、協力し、扶助する義務がありますが、同居を拒否し、正当な理由なくこの義務に違反した場合です。夫が家を飛び出して障害者の妻を自宅に置き去りにして長期間生活費を送金しなかったなど、夫婦、家族としての共同生活を放棄するなどの場合です。
④精神病
夫婦の同居・協力・扶助の義務がはたせないほどの強度の精神病であって、回復の見込みがない場合です。統合失調症、そううつ病、偏執病、初老期精神病などの高度の精神病であり、アルコール中毒、麻薬中毒、ヒステリー、ノイローゼなどは該当しないとされています。
⑤性格の不一致
性格の不一致や愛情喪失が直ちに離婚原因となるわけではありませんが、性格の不一致により夫婦関係が修復不可能なまでに破たんしている場合です。
⑥心理的虐待
身体的な暴力にくらべ、婚姻を継続しがたい多数の心理的な虐待があった場合です。
⑦性生活
夫婦の一方が異常な性関係を相手の意思に反して強要する場合です。
⑧宗教
信仰の不一致による対立により、婚姻関係が破綻している場合です。
⑨親族との不和
婚姻を継続しがたいほどの重大な場合に問題となります。
⑩ 身体的欠陥
配偶者の身体の障害が原因で婚姻関係の破綻が認められる場合です。
⑪犯罪
配偶者の犯罪行為や服役自体が直ちに離婚原因となるわけではありませんが、犯罪行為の内容や軽重、婚姻生活に与える影響などを総合的に判断して婚姻を継続しがたい重大な事由に該当する場合です。
⑫不労・浪費
一方の配偶者が他方の配偶者に無断で不必要な借財を重ね、遊興に費消し、家計を困窮に陥らせた場合は悪意の遺棄に該当する場合があり、また、それらの原因により経済的に破たんし、婚姻を継続しがたい重大な事由に該当する場合です。
⑬その他
上記以外にも、さまざまな事情により、婚姻を継続しがたい重大な事由がある場合は、離婚原因になります。
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